評価 : 5.0
もくじ
ツアールート
ツアールート(写真のGPS情報から作成)
ビッグ・アイランド・スペクタキュラー + 滝着陸オプション(2019年7月) Big Island Spectacular + Waterfall Landing
「火山が脇役」その意味を体感したフライト
2年ぶりにToshiさんのフライトに参加させて頂きました。ビッグ・アイランド・スペクタキュラー、滝着陸オプション付きのツアーです。
同じ機体に乗り込んだ参加者が全員日本人のため、ガイドは最初から最後まで日本語のみ。去年はヒロから英語オンリーのフライトだったため、ツアー内容の濃さの差が歴然。やはり日本語での解説は最強であります。
今回は、後列左側の内側の座席となりました。窓側には一緒に旅した姉の みや 。
操縦席 | 前列 1 | 前列 2 | |
みや | クマ | 後列 3 | 後列 4 |
フライト前
チェックインを完了させたら、注意事項をスタッフから聞きます。
特にシートベルトの外し方は、かなり大事!何らかのトラブルに遭ったときに、座席から自力で抜け出せなくなったら大変です。機体に乗り込むときも、踏んではいけない場所を踏んだりしませんように!
しっかりお話を聞いていないお客さんが時々いるので、ちゃんと聞いてね!とToshiさんからのお願いです。
機内へはカメラ(スマホなど)と水のボトル以外は持ち込めません。その他のものはロッカーがあるので、そちらに入れることができます。
今回、初めてロッカーを使ってみましたが、意外と小さめ。背中の硬いガッシリとしたアウトドア用のリュックなどは入る気がしません。なるべく荷物はコンパクトにした方が良さそうです。
ロッカー
雨模様
今回、大変残念なことに天候悪し。なんと、雲が多いためキラウエア火山に行けないという…。ハレマウマウ火口にプウオオ火口、去年の噴火で激変したキラウエア火山を上空から見たかったのになぁ。
でも、こんな時もポジティブに考えられるのがツアーの良いところ!いつもは案内していない場所を飛んでもらえるんです!おかげで今回、かなりレアで貴重な体験をすることができました。
出発!
名前を呼ばれた順番で一列に並び、一人ずつヘリに乗り込みます。
ヘリに乗り込む
そして出発!
ヘリの轟音と次第に強くなる振動に高揚感があふれ出しそう!フワリと機体が浮き、低空のまま直進したあとUターンしながら上昇。小さくなっていくオフィスを横目にマウナケア方面へ!
いつもこんな感じで離陸するのですが、これがホントに格好良いんですよ!!
少しして雨。流線型の機体のガラスを雨水が伝って流れていく様子が何だか美しい。
機体を流れる雨
マウナケアの北側を巡る
ワイメアの辺りまでやってきました。先程まで降っていた雨が止み、青空が見られるまでに回復。ワイコロアが雨で、ワイメアが晴れている。珍しいこともあるもんだ!
ワイメアの辺り
一面に牧場が広がっています。その殆どが、あの有名な パーカー牧場。一時期は、全米一の広さを誇っていたことも。
緑色の牧場には、ぽつぽつと黒い粒があり、よくよく見ると、それらは牛さんたちの群れです。上空から眺めると、まるで蟻みたい。
美しい草原はこの先もずっと続きます。一体どこを飛んでいるのか、次第に分からなくなってきました。
緑の絨毯が美しい!
お天気が少し悪いと、雨と晴れの境目が見られます。雨のカーテンとしっとりとした空気感が心地良い。
雨のカーテン
右前方にマウナ・ケア
Toshiさんのガイドで右前方にマウナ・ケアがあることに初めて気付きました。えっ。あれっ。そうだったんだ?ホントにココどこ状態。
雲が一瞬切れて、マウナ・ケアの中腹を捉えることができました。
雲の切れ目からマウナ・ケア
Toshiさんのガイドは秀逸を極めます。
上の写真も「一瞬雲が切れて中腹から山頂付近が見えるかも」と案内があったので狙ったのですが、ホントにその通りになるからスゴイ!どんな時でも、お客さんが楽しめるように、的確に見どころを探しては見せ場を作ってくれます。(いつもは、おちゃらけているのに同一人物なのだろうか!?)
そんなToshiさんから大変嬉しいお知らせが。
フライト開始時には、行けそうになかったプウ・オオ火口に行けると…!!!ハレマウマウ火口は雲が厚いということでダメでしたが、それはまた改めて。
今回、中止になるかもしれないくらいの天候だったのが、ハマクアでは晴れ、プウ・オオ火口まで行けることになりました。幸運が続きすぎてちょっとコワいんですが…!
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水蒸気モクモクのプウ・オオ火口
プウ・オオ火口へ向かう途中、ナパウ・トレイル周辺の火口を見ることができました。
下の写真は、ナパウ・トレイルの見どころの一つ、大きなマカオプヒ・クレーター。写真がヘタで、そのスケール感が伝わりません。ぐぬぬ。
マカオプヒ・クレーター
こちらはナパウ・クレーター。トレイルからは、この先に立ちはだかるプウ・オオの姿を目にすることができます。
ナパウ・クレーター
トレイルはここで終点ですが、私達はナパウ・クレーターをひとっ飛び。
プウ・オオ火口
プウ・オオ火口が目の前に。雨がたっぷり降ったのか、濛々と沸き立つ水蒸気が凄い!火口底が見えないほど。
水蒸気を上げるプウ・オオ
現在、火口に溶岩がなく噴火活動が止まっているプウ・オオ。(Toshiさんの考えでは、噴火活動が止まっているのではなく息の根が止まったとも…!)
乾燥して干上がり、ぽっかり口を開けたプウ・オオの写真をよく目にしていたので、そんな姿を想像していたのですが、様子が全然違う。
これが火山の面白いところ!中途半端な自分の知識なんて、すぐに覆されてしまいます。火山活動自体の変化はもちろんですが、天候の変化だけでも、コロコロと姿が変わるんですよ!
火口の縁に沿って飛ぶ!
噴火中の時と変わらないほどの迫力!コレ、知らない人が見たら、現在も噴火中だと勘違いするに違いない。
火口の断崖
見どころは火口の断崖!火口底は深く、350m下にあるので迫力あり(2018年5月時点の深さ)。赤茶けた断崖には、幾度となく噴火しては積み重ねてきた溶岩の層が縞模様となり、歴史を感じさせます。
断崖のアップ
幻想的
靄の中に現れる切り立った崖が、ファンタジー映画のワンシーンのよう。
破壊?創造?プナの溶岩流の跡
プウ・オオを後にしてカラパナへ。そこからカポホ方面へと東へ東へ進んでいきます。
カラパナの町
20年以上も前のこと。カラパナの町が溶岩流に襲われました。
カラパナの溶岩大地に建つ家々
今でも黒々とした溶岩大地。その上に、家を建てて暮らしている人々がいます。またいつ溶岩に襲われるか分からない地で再び暮らすことができるのは、故郷への愛情と火山への敬意があるからなのでしょう。
カラパナの少し東
カラパナよりも更に古い溶岩流の跡が見られました。なんとなくモコモコしているように見えるのは、オヒアの木々かな。また新しい森を創ろうとしているんですよね。
溶岩流の跡に根付くオヒアの木
大地も人々も、新しいモノを淡々と創っていく姿が力強い。
「噴火は破壊じゃなくて創造!」
Toshiさんの言葉が心に沁みて、頭の中をぐるぐると駆け巡りました。
レイラニ地区の亀裂8(噴火口)から流出した溶岩流
2018年5月に突然始まった噴火。亀裂8 の南東から北東方面へかけ、大量の溶岩が流出しました。噴火は8月になり急速に収束。2019年7月現在、噴火活動は見られません。
黒砂で埋まったポホイキ港
ポホイキ港はギリギリ溶岩流からは逃れたものの、黒砂で埋まってしまいました。港としては使えませんが、新しい黒砂海岸として人気になりつつあります。
真っ黒な川
緑の大地を這う黒い溶岩の川。美しいとさえ思ってしまう。
あの噴火は一体なんだったんだろう?
たった一年前のことなのに、だいぶ昔のことのように思えるほど、レイラニ周辺は静かで穏やかに見えました。この地でも、もう再生は始まっています。何十年もしたら、また違う景色を見せてくれるのではないでしょうか。
去年の噴火の様子は下の記事へどうぞ。
ヒロからキラウエア火山へ。2018年5月から突如噴火を始めた「亀裂8(レイラニエステイトの噴火口)」を上空から見てきた!
ヒロ、アカカ滝を経てワイピオ渓谷へ
カポホから海岸沿いをヒロに向かって北上。
ヒロ上空は、見たいものがたくさんあって忙しい。ヒロ空港にショッピングセンター、バニヤンドライブ沿いのホテル群などなど。
ヒロの街並み
手前に、ショッピングセンターの「ワイアケア・センター」と「プリンス・クヒオ・プラザ」。奥にあるオレンジ色の建物は、「ワイアケア・ハイスクール」と「ヒロ大学」です。
ココナッツアイランドとホテル群
ヒロ湾に面している湾曲した白い建物は、「ヒロ・ハワイアン・ホテル」。一番右隅にある白い建物は、「ナニロア・ボルケーノズ・リゾート(ヒルトン)」です。知っている建物があると楽しいですね!
そして、ヒロを越えた先で目に飛び込んできたのは、アカカ滝。上空から初めて見たよ!!
アカカ滝
天気が良ければ、左手にマウナ・ケアが綺麗に見えるはずですが、相変わらず雲に隠れちゃっています。
雲に隠れているマウナ・ケア
緑豊かなハマクア・コーストを巡り、いよいよワイピオ渓谷までやってきました。渓谷内は入れないので、海からの見学のみ。
ワイピオ渓谷
ビシッと全景を撮りたいのに、いつも上手く撮れないワイピオ渓谷であります。
ワイマヌ渓谷、キーホール(鍵穴)での旋回に息を呑む
ワイピオを通り過ぎてワイマヌ渓谷へ進入。ここからが渓谷観光の醍醐味!そしてToshiさんの操縦技術の見せどころ!
ワイマヌ渓谷へ
段々に流れ落ちるワイイリカヒ滝
ヘリで渓谷の中に入ると、思いのほか狭く感じるんです。Toshiさんが、ベテランパイロットならではのテクニックで、渓谷の断崖のスレスレを飛んでくれるからアトラクションに近いものがある…!しかし、それは序の口。
迫ってくる断崖
今度は、背の高い断崖が、じわじわと目の前に迫ってくる…!
お…おお!!(ぶつかるーー!!!)
その緑の絶壁に流れる滝の美しいこと…!ドキドキと驚きに一気に襲われてしまう。
絶壁に流れる滝
ここは、キーホール(鍵穴)と呼ばれる滝。ワイマヌ渓谷の奥地にそびえ立つ、すり鉢状に囲まれた緑色の断崖を清らかに滝が流れ落ちています。
キーホール
見上げるようなバカ高い壁が三方から迫る中。何とヘリはゆっくりと旋回し始めた…
いやいや、この超狭い場所で…!?壁に当たりそうだよーーー!!!
Toshiさんの超絶テクニックを垣間見ました。いつも切れ味鋭いのは分かっていましたが、今日は特にキレッキレ!超スゴイ。
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ワイカロア滝への着陸に魂が揺さぶられる
一度、ワイマヌ渓谷を出て海へ。胸のドキドキが収まらぬ中、このツアーの一番のお楽しみ、滝着陸への体制に入りました。目指すはワイカロア滝。
右から3番目がワイカロア滝
2年前にプナルル滝への着陸を経験しましたが、今度は別の滝。プナルル滝は、そこそこ開けた場所からの着陸でしたが、今度の滝は…
ここをヘリで飛んじゃうの!?と心配になるほどの狭い木々の中へと進入していきます。窓の外に見えるハラの木が、間近過ぎっ。プロペラが枝に触れて葉を蹴散らしてしまうんじゃないかと思う程!
ハラの木々の間を飛ぶ
気づけば涙が出ている。コワイからじゃない。色々感動しすぎて、よく分からない涙でした。
そして無事着陸。
陸地に降り立った時は、ドキドキしすぎて何だか足に力が入りません。フラフラしながら滝へ。
ワイカロア滝
目に飛び込んで来たワイカロア滝は、とびっきり美しかった。風に流される水しぶきと、それを照らす光がキラキラ輝いて。
水しぶき
渓谷で天気の良い日が続くと、滝が干上がってしまう事もあります。この日は、前日に大雨が降ってくれたため、水量十分で良い状態になってくれたとのこと。ここでも自分たちの幸運ぶりを発揮できた模様!
滝つぼ
落差 637フィート(194m)
ヘリと滝の競演
ヘリと滝は本当に絵になります。時間が許せばいつまでも撮っていたいくらい。
Toshiさんとヘリ
Toshiさん、マジ凄いよ。感動しちゃったし、改めて尊敬しちゃったよ…!!
以前より Toshiさんは「ハワイ島の火山は脇役。渓谷が主役!」と言い切っています。そうは言っても、自分は火山が一番だな、と思っていました。でも今回、初めて渓谷が火山を越えた。振り切った!今なら、Toshiさんの気持ちが分かります。
着陸場所について
この着陸ポイントは「Nako'oka(ナコオカ)」と呼ばれ、ブルー・ハワイアン・ヘリコプターズ のみが許された場所。ここに来るだけでもヘリツアーに参加する価値が十分にあります。
ワイカロア滝への着陸について
今回参加したツアー「ビッグアイランド・スペクタキュラー(滝着陸オプション付き)」または「コハラ・パウ・ハナ」で着陸する滝は2種類あり、ワイカロア滝はそのうちの一つ。もう一つは、プナルル滝。どちらの滝に着陸するのかは、その時の状況によるそうです。
プナルル滝への着陸リポートはこちら。
大人気のビッグ・アイランド・スペクタキュラー。今回は、緑の美しい断崖に流れる大きな滝に着陸しました。これはス・ゴ・イ!!
最後にもうひと風景!初めて見た渓谷
初めて見る二つの渓谷
後ろ髪を引かれる思いでワイカロア滝を出発。渓谷観光も終わりと思いきや、最後にもうひと風景!今まで見たことがない「ホノカネ・ヌイ渓谷」と「ホノカネ・イキ渓谷」を眺めることができました。
ホノカネ・ヌイ渓谷
ホノカネ・ヌイには、「hono(渓谷)、kane(男性)、nui(大きい)」で「大男の渓谷」という意味があるそうな。「iki」は「小さい」という意味なので、ホノカネ・イキは「小人の渓谷」。グーグルマップで見ると、確かにホノカネ・ヌイ渓谷に比べると、こちらの渓谷の方がだいぶ小さい。
断崖の上は平ら
渓谷の見どころの位置関係が分かりづらいと思うので、マップを作ってみました。こちらをご参考に!
ワイコロア・ヘリポートへ
渓谷を抜けると現れる美しいコハラ・マウンテン。
モコモコしてる
晴れと雨の境目
緑色の大地は次第に茶色になっていきます。ここまで来れば、もうすぐワイコロア。高級リゾートやワイコロア・ビレッジが見えたりして楽しいのですが、ツアーが終わってしまう寂しさには勝てませぬ。
ワイコロア・ビレッジ
そして着陸!
今回も最高っっっ!!!なハワイ島をToshiさんから頂きました。本当に感謝です!感謝しきれない。
予約はアロハブリーズがオススメ!
同じツアーでも、パイロットによって、その楽しさは何倍も変わります。ツアーに参加するなら、Toshiさんを優先的にリクエストできるアロハブリーズさんで予約することを全力でオススメします。
アロハ・ブリーズは、Toshiさんご一家が運営する代理店。Toshiさんが直接予約に目を通し、日本人客の予約状況を確認できるため、担当になる確率が高くなるそうです。
予約先
【日本語デスク】ブルー・ハワイアン・ヘリコプターズ(アロハ・ブリーズ)
Toshiさん(日本人パイロット)をリクエストする方はかなり多く、それゆえにToshiさんの乗る機体には日本人が集まりやすくなっています。今回のように、全員が日本人になれば、ガイドも日本語だけになるので内容が濃密になり、本当に楽しいフライトになりますよ!
余談 その1
実は今回のフライト、初めてヘリの揺れで酔ってしまいました。一番気分が悪くなっていたのがプウ・オオの辺り。しかし渓谷に来てからは、それが完全に吹っ飛んだ!気分で酔いに勝てるんですね!
なるべく酔わないようにするには
写真を撮ることに夢中になり過ぎないこと!とToshiさんからアドバイス。特に、下に見える物の写真を撮ろうとするとクラクラしがち。下を眺めるプウ・オオなどで酔いやすいのもこれが原因とのこと!
そういえば、今回は天候が悪かったので、下の方(地面)ばかり眺めていたのかもしれない。牧場の牛も探したし…!
余談 その2
機内に水は持ち込んだものの、飲んでいる余裕はありませんでした。なので、ツアー終了後は喉がカラカラ!
そんな時は、オフィスに置かれているレモン入りの水を飲んでみて!自分は、やたら美味しく感じて、何杯も飲んでしまいました(笑)
レモン入りの水