もくじ
マウナケア 地図
天体観測所(望遠鏡群)について Astronomical Observatory
山頂に立ち並ぶ望遠鏡群は圧巻!ここには、日本の「すばる」を含め世界各国、計11基の望遠鏡があります。
マウナケア山頂の望遠鏡群
まず、マウナケア山頂の天気の安定感がハンパないこと。高山のてっぺんだけに周囲が暗いというメリットがあり、それでいて車で登れるアクセスの良さもポイント高し。そのうえ、大気の揺らぎが少なく星が瞬きにくいため、星の観測に適しているのだそうです。(星の瞬きは大気の揺らぎで起こり、星を観測するには邪魔になります。)
更に、この島は赤道付近にあるため緯度が低く、北半球の全天と南半球の90%の天体を観測する事が可能。マウナケア山頂には、このような好条件が揃っており、世界で最も天体観測に適していると言われています。
すばる望遠鏡 Subaru Telescope
日本が誇る「すばる」
文部科学省 国立天文台ハワイ観測所が所有している大型光学赤外線望遠鏡、すばる。1991年から建設が開始され、完成したのは1999年。総工費は400億円!
すばるの心臓部、主鏡(光を集める鏡)の有効口径は8.2m。この一枚ガラスの主鏡を作るのに3年、そして精度をあげるための研磨作業には4年の年月が掛かったそうです。
すばる望遠鏡
すばる望遠鏡の一般公開について
2020年1月29日現在、" 観測所を取り巻く諸事情に鑑み、すばる望遠鏡山頂施設の一般見学プログラムは当面休止 " とのこと(→ ソース)
すばる望遠鏡の内部は2004年10月から一般公開しており、見学することが出来ます。しかし、要予約・現地集合とハードルは高い。見学時間は約45分間。8名まで。観測所スタッフが案内してくれます。
以前は、山頂まで自力で集合しなければなりませんでしたが、現在はチャーターや送迎を行うツアー会社がでてきました。気軽に依頼できる金額ではないですが、選択肢があること自体ありがたいことです。(2018年2月現在)
- 太公望ハワイ
「すばる天文台 送迎プラン」
$950(1~5名) / $1,200(6~13名)
所要時間:5時間 - マサシのネイチャースクール(ハワイアン・アイズ)
「すばる望遠鏡 内部見学チャーター」
$1,000(1~6名) / $1,500(7~13名)
所要時間:10時間
※ すばるの予約手続き・昼食・防寒具付き
なお、上記以外でも送迎やチャーターを行う会社が現れるかもしれません。探す時は必ず、マウナケアでの営業許可を得ているツアー会社を利用しましょう。そうでない会社を利用した場合、すばる側で見学を拒否されてしまいますのでご注意ください。
参考サイト
日本単独から国際共同での運用体制へ
[2019/3/14] 国立天文台は今後、すばる望遠鏡を日本単独から国際共同での運用体制に移行させたい模様。日本が主導権を持つようにしたいとは考えているようですが、寂しい話ですね。ソースは下の記事をご覧ください。
すばる望遠鏡を国際共同運用へ 米ハワイ島、資金・人材呼び込み | 共同通信(← 記事が削除されてしまいました)
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W.M.ケック天文台 W.M.Keck Observatory
W.M.ケック天文台
すばるの隣に並ぶ双子の望遠鏡(1号&2号)、 W.M.ケック天文台。こちらは、予約ナシで内部の見学が可能。2017年7月に潜入してきました。詳細は下の記事をご覧ください。
30m望遠鏡(TMT) Thirty Meter Telescope
30メートル望遠鏡(TMT)の詳細は、別ページに移動しました。詳細は下記をご覧下さい。
2019年7月15日に抗議デモが発生して、今もなお続いているTMTの建設問題。そのニュースが日本に届くほど問題が拡大しています。
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その他の望遠鏡 Other Astronomical Observatory
CFHT
Canada-France-Hawaii Telescope。略して CFHT。
Canada-France-Hawaii Telescope (CFHT)
カナダ、フランス、ハワイ大学が共同運営する口径 3.6mの光学赤外線望遠鏡。1979年に運用開始。ハワイ大学は山頂の管理をしているし、単独で2基の望遠鏡を所有していたり、何気にスゴイ!
参考サイト
Canada-France-Hawaii Telescope (CFHT)
UKIRT
口径 3.8mの赤外線反射望遠鏡。「UKIRT」は「United Kingdom Infra-Red Telescope」の略。「イギリス赤外線望遠鏡」ということですね。
United Kingdom Infra-Red Telescope (UKIRT)
しかし、そのイギリスが撤退しちゃいました。
2014年10月よりハワイ大学が所有。その運営は、ハワイ大学、アリゾナ大学、ロッキード・マーティン・スペース・システムズ社が行っています。資金提供はNASAから。
また、30m望遠鏡(TMT)完成後には、撤去されることが決定しています。(TMTが完成しなかったらどうなるんだろう?)
Gemini Northern Observatory(ジェミニ北天文台)
口径 8.1m の光学赤外線望遠鏡×2基で構成されるジェミニ天文台。
1基は、ここマウナケアの「ジェミニ北天文台」。もう1基は、チリのセロ・パチョン山頂にある「ジェミニ南天文台」にあります。この2基で北半球と南半球の全天を観測することが可能。
Gemini Northern Observatory(ジェミニ北天文台)
稼働中の天文台
アメリカ、イギリス、カナダ、チリ、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンによる国際共同プロジェクトでしたが、こちらもイギリスは撤退。現在は、イギリスを除く6カ国のプロジェクトになっています。
参考サイト
ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡 と サブミリ波干渉計
2019年4月10日、史上初めてブラックホールの撮影に成功したと話題になりました。撮影したのは、イベント・ホライズン・テレスコープ。地球上の8基の電波望遠鏡を結合させた国際プロジェクトです。
マウナケアにある望遠鏡群のうち、JCMT(ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡)と SMA(サブミリ波干渉計/Submillimeter Array)が、このプロジェクトに参加しました。
JCMT(ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡)
JCMT(写真左側)
ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡
ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡には、イギリスが関わっておりましたが、2015年3月より、東アジア天文台(EAO)に引き継がれました。
東アジア天文台(EAO)は、東アジア中核天文台連合(EACOA)によって形成されたプロジェクト。EACOAは、中国・日本・韓国・台湾で組織されています。イギリスが撤退し、アジア勢が台頭してくるあたり、時代の流れを感じますね。
各望遠鏡からのイギリスの撤退は、財政難のためだそうで。世知辛いですね。日本のすばるの行く末も心配になります。
参考サイト
James Clerk Maxwell Telescope(ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡)
SMA(サブミリ波干渉計)
SMA(サブミリ波干渉計/Submillimeter Array)
SMA(サブミリ波干渉計)は、世界最初のサブミリ波電波干渉計。スミソニアン天体物理観測所(アメリカ)と中央研究院天文及天文物理研究所(台湾)との共同プロジェクトです。
参考サイト