もくじ
実生の方法
「実生」とは種から植物を育てる方法。これを行うには、まず種を作らなければなりません!
種を作る
意外と難しい種作り
毎年、秋に花を咲かせる我が家のハイビスカスたち。花が落ちた後、子房がだんだん膨らんできます。これが大きくなり茶色に乾燥すれば種の完成!
ところが、なかなかそこまで辿り着きません。途中まで膨らむのですが、殆どがポロっと落ちてしまうのです。
人工授粉してみる
「うまく授粉できていないかも。」
ということで、人工的に授粉してみることに。すると、種まで育つ確率が若干上がりました。
受粉は綿棒や筆などで、雌しべの先に雄しべの花粉を付けてあげるだけ。もしくは雄しべを切り取って、直接雌しべに擦ってあげても良いでしょう。なお、受粉は咲いたらすぐに行うべし。時間が経つと、成功率が落ちるそうです。
ハイビスカスの授粉
拡大してみると、花粉が何かの卵のように見えますね。たまに「やく」が開かず花粉が出ない雄しべがあるので注意。つるつるした感じなので見るとすぐに分かります。その場合は受粉できません。
花殻が落ちた後の様子
次第に膨らんでくる子房
茶色くなってきた
種の出来上がり!
この年は、今まで育てた中で一番咲きました。しかし、無事にできた種は下の写真のものだけ。まず、おしべの「やく」が開かない個体が多く、受粉したくてもできなかったり、受粉しても完全に種になる確率がかなり低かったです。
アーノッティアヌスの種
イマクラトゥスの種
クレイーの種
種の保管
出来た種は高温多湿でない場所に春まで寝かせておきます。冷蔵庫に入れておくのがオススメですよ!詳しくは下記のサイトさんの記事をご参考に。
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種を蒔く
この記事の内容は、中部地方でも温暖な地域での経験則であり、育成条件としては良い場所での体験談です。実際に育てる地域、場所によっては内容がそぐわない場合もありますのでご注意ください。
5月中旬~下旬頃、気温が20度を超えるようになったのを確認してから種を蒔いてみました。初めてのことなので実験を兼ねて。
用土は、どちらも赤玉土(小粒)に腐葉土を2~3割混ぜたものを使っています。
実験A
発芽を促すために、植物の活力液「フローラ HB-101」を薄めた水に漬け、次の日ポットに蒔く。
実験B
カッターで種に切り傷を入れた後「フローラ HB-101」を薄めた水に漬け、次の日ポットに蒔く。
結果
実験A → 2ヶ月後に発芽
実験B → 8日後に発芽
たったひと手間加えるだけで、これ程の差が出ることに驚きました。友人が、同じ種を傷をつけずにそのまま蒔いたところ、同様に2ヵ月後に発芽したようなので、種による個体差ではないと思われます。ぜひ試してみて下さい。
種に傷を付ける方法
私はカッターの刃で種に傷を入れました。しかし、この作業が怖い。軽く刃を当てても傷が付かず、逆に強すぎると種がダメになってしまいそう…。傷がついたかどうかも、その場ではよくわかりません。半日くらい水に浸していたら、水分を吸って膨らんだお陰で傷がわかるようになりましたが。
この経験を踏まえると…
カッターを利用する際は、種皮を削ぎ落とす要領で薄く削る方が良さそう。もしくは、紙ヤスリを利用しましょう。白い部分が見えるか見えないか程度になるまで優しく擦るだけ。
白い部分が剥き出しになる等、削りすぎると雑菌が繁殖しやすくなるそうなので、注意して下さい。削る位置は、種の胚(芽や根になる部分)とは反対側の部分です。
一連の流れ
写真の番号は下記の解説に対応しています。(写真が小さくてスミマセン。次の機会に撮り直して差し替えます。)
- 種皮に傷を付ける
- 一晩、水に浸す
活性液も入れています。その効果はいまいち分かりませんが。
- 少し膨らんだ種
水を吸って膨らんだため、傷の跡が見えるようになりました。しかし、この写真での傷の付け方と位置は少々ビミョー。あまり参考にしないで。
- ポットに蒔く
水は切らさないように。
- 芽がでるのを待ちましょう
上の写真、種の殻がクランチチョコのように見えてしまうのは私だけでしょうか…?
種を蒔いた後は…
実生の経験は少なく試行錯誤の段階です。あくまでも参考程度に留めて下さい。
種蒔き後の管理
乾燥しないように水遣りをします。いつも湿っている状態にしました。時期は6月だったので、鉢の置き場所は明るい日陰(室内の窓際)に。発芽までは挿し木の管理と近いかも。
発芽後の管理
発芽後、しばらくは同じ場所で管理。あまり環境が変わってしまうと、ダメになってしまいそうなほど弱々しいので。
種を蒔いてから3週間後
発芽してから一ヶ月後、思い切って外に出しました。
難しい水やり
発芽後は、水遣りの頻度が一番難しいかもしれません。発芽した3株のうち、一株は水が切れて枯れてしまいました。急に気温が上がるような日は、水切れに注意。
そして、今度は水切れを気にしすぎたせいでしょうか。もう一株は、恐らく水のあげすぎで枯れてしまいました。
発芽から4ヶ月後
4ヶ月後のアーノッティアヌス: 挿し木した株に比べると、少し心許ない。
発芽から1年後
最後まで残った一株が1年後まで生きていましたが、あまり大きくなりません。結局、花を一度も付けないまま枯れてしまいました。残念…。何が悪かったのでしょう。やはり、夏の直射日光が厳しすぎたのか…?
また機会があれば挑戦して育て方を確立していきたいと思います。