挿し木で増やす! / ハワイ原種ハイビスカスを育てよう!

ハイビスカスの挿し木

もくじ

ハワイ原種ハイビスカスの挿し木の適期

この記事の内容は、中部地方でも温暖な地域での経験則であり、育成条件としては良い場所での体験談です。実際に育てる地域、場所によっては内容がそぐわない場合もありますのでご注意ください。

一般的なハイビスカスの挿し木の適期は、解説本によっては4月~9月とも5月~7月とも記載されています。では原種は?

ハワイ原種ハイビスカスの育て方を記載している園芸店、園芸ネット本店 には

9月ころに挿し木で苗を作り、株を更新してください。

園芸ネット本店(アーノッティアヌス

と記載されているので、9月に行えば間違いないでしょう。

ちなみに今までの私の挿し木の結果は下記の通り。

6月 → 失敗(管理方法に問題あり)

8月 → 成功!

10月 → 成功!

9月以外でも成功しているので、真冬など大きく時期を外さなければ、それほど神経質になることもないかも。

2017年1月更新

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挿し木の方法

挿し木の方法

挿し木の方法:写真の番号は下記の解説に対応しています

1. 親株を用意する

まずは「挿し穂」となる枝を取るために、親株を用意して下さい。健康的で若い株を選びましょう。

2. 剪定(枝を切る)

枝の選び方

挿し木には、その年に伸びた新しい枝を使うのが一般的。ただし、簡単にしなってしまうような柔らかい部分は挿し穂に向いていません。若干木質化している部分を使いましょう。「若干」というところがポイント。古い枝で木質化しすぎているものはNGです。

枝を切る位置

枝の先端を切ると、節(葉の付け根)から新しい芽が出てきます。これが脇芽。既に脇芽が生えていることも多いでしょう。

親株に、脇芽や節が残るように枝を切り落とします。切る際は、節のすぐ上を切ってあげると切口の治りが早くなるそうです。

クレイーの脇芽

節から伸びる脇芽:剪定から約2ヶ月後のクレイー

必要な枝の長さ

挿し穂になる枝にも、節が必要です。4~5節程あれば足りるでしょう。節があれば、葉はなくても問題ありません。枝の先端の新しくて柔らかい部分は切り落としてしまうので、その辺も考慮して長めに切ってください。

3. 挿し穂を作る

  1. 斜め45度に切る

    切り取った枝の節のすぐ下の辺りを斜め45度に切ります。この節から発根するので、この作業は重要。よく切れる綺麗なカッターナイフで一気に切ってください。断面がささくれたりギザギザしていると、雑菌が増殖し易くなり成功率が下がります。

    斜め45度に切る

    斜め45度に一気に切る(アーノッティアヌス)

  2. 葉の処理

    上部に2枚程度の葉を残して、それより上の部分は切り落とします。また、水分の蒸発を防ぐため、大きな葉は半分に切りましょう。

4. 水揚げ

挿し穂の切口から樹液がでてきますので、よく洗い流してください。その後、最低でも1時間ほど水を吸わせてあげましょう。何でもない作業に見えますが、これを怠ると成功率が下がるので、絶対に省かないで下さい。

水揚げ

水揚げ(アーノッティアヌス)

5. 挿し床を作る

挿し床を作るにあたって一番注意する点は、雑菌を抑えること。

使用後の汚れた土や植木鉢は避けてください。雑菌が繁殖してしまうと、挿し穂にカビが生え腐ってしまいます。肥料などの栄養分も、当分の間は与えることはできません。

  1. 鉢と鉢底ネットを用意する

    私は苗ポットの3号(直径9cm)を使っています。なければ、ペットボトルの上部を切り取り、底に水抜き用の穴を開けたものでもOK。その際は、土の部分に光が当たらないように、ペットボトルに黒い紙を巻くなど何かしら工夫してあげましょう。

    鉢底には鉢底 ネットを敷いて下さい。なければ、台所の三角コーナー用のネットでも代用できます。

  2. 鉢に土を入れる

    鉢に土を入れます。使用する土は、赤玉土(小粒)やバーミキュライトなど。赤玉土だけでもOKです。腐葉土や肥料などは混ぜないこと。

  3. 土に穴をあける

    水をたくさんかけてから、挿し穂を入れる場所に指か細い棒で穴をあけておきます。絶対に挿し穂で穴を掘らないこと!

    土に穴をあける

    土に穴をあける

6. 仕上げ

挿し穂の全長の1/2程度を地中に入れます。そして、根元を丁寧に押さえて土を固めます。その後、もう一度たくさん水をかければ挿木作業は完了です。

なお、自分は試したことがありませんが、挿し床に挿す前に、挿し穂の切口に発根促進剤をまぶしてあげると発根率が上がります。有名どころは、ルートンやメネデール、オキシベロンなど。

挿し木完成図(イマクラトゥス)

挿し木完成図(イマクラトゥス)

2017年1月更新

挿し木後の管理

1. 普段のお世話

挿し木後の管理で気を付けることは下記の2点。

  1. 一般的な挿し木の適温は20℃~25℃。

    暑い時期に南向きの直射日光に当たる場所に置くのはNGです。明るい日陰に置きましょう。8月に挿し木を行った時は、北向きの屋外に置いて成功しました。

    逆にあまり寒すぎても発根しません。寒い時期は、室内の日の当たる場所に置いて様子をみて下さい。ただし、その場所が25℃を越えてしまうようなら、日の当たらない場所に移動した方が良いです。暖かすぎるとカビが繁殖しやすくなるので。

  2. 乾燥させない。水を与えすぎない。

    水やりは、表土が乾いてきたら霧吹きで行います。私の場合は、受け皿に水を流してあげていました。(←溜めない程度に。)

初めて挿し木を行う時は、色々心配になってあれやこれや手を出してしまいがち。そうなると、水を過剰に与えてしまったりして良いことがありません。なるべく放置でいきましょう!

2. 発根の確認

挿し木後、しばらくすると挿し穂から脇芽が伸びてきてワクワクしますが、この時点で発根していることは殆どありません。時々鉢の裏をチェックしながら、もうしばらく待ちましょう。発根すれば、鉢底の穴から伸びた根がチョロっと見えてくるはず。(←挿し穂を引っこ抜いて確認しないように!)

経験上、発根確認までに要した期間は1ヶ月~2ヶ月。やはり寒い時期の方が時間が掛かりました。

3. 鉢上げ

発根が確認できたら次は鉢上げです。鉢上げとは、苗床から鉢に植え替えること。もう少し成長するのを待って、根がたくさん生えていることを確認してから行いましょう。もし、鉢上げの時期が真冬になってしまうようだったら、春まで待った方がよいかも。

鉢上げ(イマクラトゥス)

鉢上げ(イマクラトゥス):8月に挿し木して10月に鉢上げ。同じ苗ポットに植え替えただけなので代わり映えしない。

鉢上げ時は、通常の植え替えと異なり根を切ったりはしません。根を傷つけないよう、やさしく丁寧に植え替えて下さい。植え替え後は、通常のハイビスカスの管理と同じ。ここまでくれば成功です!

2017年1月更新
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